クラウド会計コラム⑪~クラウド会計ソフトで見るべき機能~

東京都目黒区のクラウド税理士 海老名洋明です。

クラウド会計ソフトをご使用のお客様より、
「このページの見方がよくわからない」
「損益をパッとみてわかるにはどうしたらいいのか」
「資金繰りはどこを見ればいいのか」
といった、機能面に関する質問を多く頂戴します。

そこで、今回は、クラウド会計ソフトのそのものの使用方法は置いておいて、
クラウド会計ソフトを使うにあたって持つべき心構えと、
それに関連して、税理士がよくみる帳票についてまとめてみました。

 

全部の機能を使いこなそうとしない

弥生会計といった従来の会計ソフトを使うにしても、クラウド会計ソフトを使うにしても、

大前提は

正しい決算書を作成すること
正しい税務申告を行うこと

の2点に尽きます。

クラウド会計ソフトは、請求書作成機能や人事機能と連動して売上関係や給与関係の仕訳を自動で作成する機能に加え、
登録された仕訳を基に、資金繰りレポート、損益レポートをグラフ化するといった機能をウリにしています。

会計機能がメインである従来の会計ソフトとは異なり、クラウド会計ソフトはメインの会計機能に、様々な機能が付随しており、その全てを使いこなすのは実は大変なのです。
日常の業務をこなしながら、これらの機能をひとつの間違いなく使いこなすのは困難です。

極端ですが、資金繰りレポートや損益レポートがどれだけ間違っていても、決算書と申告書が正しければ十分です。
ご自身が使わない機能、理解できない機能があればそちらは完全に無視してもいいと私は考えます。

といいますのは、税理士はこれらの機能の使用方法を全部理解していないから、というより理解する必要性すら感じていないからです。
でも、税理士が正しい決算書や申告書を作成するにあたって、必ず見る機能はあります。
グラフ化したレポートよりもまずはこれを見よ、という機能をまとめました。

 

月次推移表(特に「損益計算書」)

どうやって見るの?

マネーフォワードクラウド 「会計帳簿」→「推移表」→「損益計算書」タブ
freee 「レポート」→「月次推移」

クラウド税理士による解説

もっとも見てほしい帳票であり、税理士が一番よく見ます。

「毎月どれくらい売上があるのかな?」
「毎月どれくらい利益があるのかな?」
これが転じて
「決算はどれくらいになるのかな?税額はどれくらい?」
といった将来の予測にも役に立ちます。

税理士側は、毎月計上されている売上や費用が計上されているのかといった視点のほか、
決算が近づいたら消費税の納税義務のアナウンス(売上が多い場合)や
節税対策のご提案(利益が多い場合)といった、お客様へのサービスのご提供を考えます。

 

前期比較(特に「損益計算書」)

どうやって見るの?

マネーフォワードクラウド 「会計帳簿」→「前期比較」→「損益計算書」タブ
freee 「レポート」→「試算表」→比較「前期比較」

 

クラウド税理士による解説

「今年は去年よりも調子が良かった(悪かった)」
ということが分かります。
税理士側の視点では、去年はあったこの売上や経費が今年はある(ない)といった視点や
お金が増えた(減った)という財務状況の把握や、
経営状況が良くなっているのか悪くなっているのか、数字をもって把握することができます。

 

グラフでなく数字で

税理士は(金融機関や税務署も)、決算や経営成績をすべて金額(1円単位)をもって把握します。
決して資金繰りレポートや損益レポートのグラフが最終的な判断材料にはなりません。
もちろんグラフも直感的に把握するには大変有用でありそのメリットを否定しませんが、
これらは内部管理用の資料とお考え下さい。

税理士(金融機関や税務署も)が必要な情報はあくまで1円単位の金額なのです。

もっとも、そのグラフ機能も会計帳簿から連動して作成しており、
バグが多いとの話もあるので、あまり信用しない方がいいかもしれません。

 

えびな税理士事務所では

弥生会計やクラウド会計ソフトから出力された資料を基にご説明することはしません。
お客様のニーズに合わせて、見やすいフォントで、A4用紙1枚のオリジナルレポートにて
お客様に十分な説明を行います。
お葬式のような明朝体の白黒の試算表や決算書をご提示することはございません。

 

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