東京都目黒区の税理士海老名洋明です。
2023年もクライアントに恵まれ、無事に一年を乗り切ることができました。ここに御礼申し上げます。
仕事納めを28日にしようと思っていたところ、本日もクライアントからメールが届くのでのんびりこの1年を振り返りつつ締めくくろうと思います。
クライアントの状況
おかげさまで本年も新たなクライアントに恵まれました。
社長が正当な役員報酬を受け取っている、成長フェーズのクライアントがこの一年で増えました。
コロナの影響が大きい年が続いていましたが、概ねコロナ前に戻った印象です。
消費税のインボイス制度の開始
インボイスに登録すべきかどうか、請求書や領収書の書き方など、制度が開始された2023年10月以後の今でも多くの質問を頂戴しています。
価格交渉の中で遠巻きに登録しないと消費税分を支払わない(または、事務手数料として2%控除するなど)と言われたというクライアントが多くいらっしゃいました。
国税庁のインボイス相談窓口に問い合わたところ、価格交渉の範囲内なら違法ではないとのことですが、売上の10%、言い換えれば1か月分近くの手取り金額に影響するため、特にフリーランスの方にとっては死活問題です。
加えて、この1年で物価高が進みました。過去の確定申告書と比較すると、売上は横ばいであるものの費用が増加したクライアントが多くいらっしゃいました。
社会保険料率も毎年上がっており、今後も個人にとっては厳しい時代であるといえそうです。
初めての消費税確定申告
2024年3月に、インボイスに登録したことを機に、初めて消費税の確定申告を行うことになります。
所得税と消費税は、税額計算の考え方が全く異なりますので、戸惑われる方が多いと思います。
確定申告の書籍が書店に並んでいますが、消費税についてはあまり詳しく触れていないない印象です。
- 10月から12月までの3か月分のみ計算するところ、1月から12月の12か月分を計算してしまう
- 自宅家賃や従業員給与、社会保険料などを消費税を含むものとして計算してしまう
- 誤って還付申告を行い、後日税務署からの問い合わせにあたふたする
といった事例が容易に想像できます。
恐らく納税者、税務署ともに、かなり混乱すると思われ、所得税・消費税の申告期限の延長といった展開も想像しています。
所得税は赤字なら基本的に納税は発生しませんが、消費税は赤字でも納税が発生することが多い税目です。
お手上げでしたら、お早めに税理士に相談されることをお勧めします。
サービスの質の考え方
当事務所は税理士海老名が直接電話、メールの対応を行うこととしていましたが、営業電話に悩まされており、会社としてやめるように何度申し入れても営業社員個人の問題にすり替え、「また誰かが掛けるかもしれない」とプルデンシャル生命が対応したため(同様に日本生命もしつこいです)、やむなく電話代行業者を導入しました。
すぐに折り返すようにはしていますが、クライアントの方にはお手数をお掛けしています。
ところで、電話代行業者も税務顧問も月額ベースの請求でサービスを提供するわけですが、当初契約した大手の電話代行業者は、質問を投げかけてもテンプレートの回答しかできず、質問を変えるとすぐに回答が崩壊することがありました。
相手の意図を読み取り、自分の考えを整理して相手に伝えるという基本的な国語力、語彙力や、ビジネススキルが足りていない大人が世の中結構多いもので、月次の報酬に見合う心の通ったサービスとは何かを考えさせられた経験でした。
当事務所では、クライアントへの質問の返答、報告文書・資料は、すべてその時のクライアントの状況に合わせたオリジナルであり、同じものは一つもありません。
今後もクライアントの利益になるサービスとは何かを考え、提供し続ける所存です。
所得税確定申告のアドバイスのポリシー
これから所得税の確定申告の時期になり、年に一度しかお会いしない方からお金に関するアドバイスをすることが多くなります。
先の保険会社に営業電話に関連し、自らの保険契約を見直したところ、
- 個人年金は30年支払ってもトータルの利率が2-3%程度で全く投資になっていない
- 月数千円の掛け捨ての生命保険も塵も積もれば山となるで結構な出費である
- 入院しても高額療養費などの社会保障で十分カバーできる
ということで、保険契約をすべて解約し、2024年から開始される新NISAなどの投資に充てることにしました。
当事務所では、
- 税額がいくら減るかよりも先に預金残高を見ること
- 生命保険はこちらからは勧めない
- iDeco、積立NISAなど投資が得意でない方でもある程度簡単な投資をお勧めする
- 所得が増えそうな方は、出口戦略の必要性を説明の上で経営セーフティ共済をご案内する
- とにかく健康が第一とお伝えする
こととしています。
確定申告の相談会場では、生命保険、損害保険や各種団体への加入の勧誘があり、それらがうっとうしい(考える時間が少ない中、その場で契約を迫る手法はスマートでないと私は考えます)とのクライアントからの声もありましたが、当事務所ではこのような営業活動は一切行いません。
落ち着いた雰囲気の応接室で、確定申告業務とそれに付随するご相談の対応に注力しますので安心してご来所ください。