クラウド会計コラム㉑~2019年4月2日のマネーフォワード値上げのお知らせ

東京都目黒区(桜の名所の目黒川沿い)の税理士 海老名洋明です。
4月2日の夕方、マネーフォワード社よりこのようなメールが届きました。

Pagedownを6回しないと読み切れない長文です。簡単言うと値上げのお知らせです。
税理士業界では、その内容が静かに話題になっています。

 

プランによっては使用料金が2倍

内容が複雑で理解しづらいのですが、新旧プランの料金計算が簡単にできるようになっています。

(税抜で表示されているので×1.08をお忘れなく)

法人の最も安いプランで2,138円(税込)から4,298円(税込)への2倍の値上げです。

さらに所定の手続きをしないと6,458円(税込)、知らずに引き落とされるとびっくりしますね。

値付けは相手の勝手ですが、それにしても思い切った値上げ幅です。
それほど商品に自信があるのか(プロから見ると大して改善されていないのですが)、経営がうまくいっていないのか、勘ぐってしまいますね。

「全サービスを個別の契約で導入すると料金が高くなる」といった理由をホームページ上で述べていますが、

①マネーフォワード社のサービスは、ひとり事業主(個人、法人問わず)が多く会計機能以外の利用者はそれほど多くなかったため他の機能も付けてユーザーの拡大を狙った

②使われていない機能に関する開発費用(ソフトウエアといった固定資産に計上されます)の減損処理を嫌って抱き合わせにしてしまおうという、上場企業ならではの都合を気にしたものと私は推測しています。

 

税理士は寝耳に水

この値上げの通知は、ユーザーとマネーフォワードパートナー(税理士や公認会計士といった専門家)にほぼ同時にメールによりされています。
過去にお客様へマネーフォワードの導入をおすすめした税理士からすると、寝耳に水です。

マネーフォワード社は税理士をビジネスパートナーとしてとらえていながら、
善後策の提案もなく「他の機能も付けるからよろしく」とメールひとつで済ませる段取りはないだろうと感じた税理士は多かったのではないのでしょうか。
値上げは仕方なくても倍ですから、お客様への説明がつきません。

お客様が納得して利用しているときはともかく、税理士としては、2年程度のサイクルで大幅な値上げをする会計ソフトを開業間もないお客様に自信をもっておすすめしづらくなった、という感想です。

 

えびな税理士事務所のお客様の反応

えびな税理士事務所でマネーフォワードを使用しているお客様にこの料金改定をお伝えしたところ、そもそも知らなかった(メールだと気づきづらいですよね)お客様ばかりで、

改定前後の料金をお伝えしたら、他のソフトに乗り換えるという反応がほとんどです。

放っておくと2倍以上の値上げとなりますので、

会計機能のみのお客様→弥生会計へ乗り換え、Excel(後述)の活用

請求機能のみのお客様→Misocaへ乗り換え

という風に、お客様には大型連休前に動いてもらいました。

やはり、同時期に1,000円の値上げをしたAmazonプライム年会費と比べて、納得度が低いようです。

 

クラウド会計ソフトの最大の短所

使いやすさ、機能面は置いといて、値上げリスクが高いことがあります。
インストール型のソフトは一度買ってしまえば基本的に買い替える必要はありません。

(消費税率の引上げもあるかもしれませんが、そもそも消費税の納税義務のない場合は気にする必要はありませんし、納税義務があるときも「税込経理」をすることで日常の経理処理は何とかなります。)

 

値段だけでfreeeへの乗り換えも危ない?

マネーフォワードをやめてfreeeへ乗り換える、という選択もあり得ますが、結末は同じと思えてなりません。

freeeの使用料金の変遷

法人プランの最も安いプラン(値上げの都度、プラン名称に変更があります)を例に

月額で支払いの方の例(税込)

2018年10月から 2,570円 20%値上げ
2017年5月まで2018年9月まで  2,138円 8%値上げ
2017年4月まで 1,980円  

年額で支払いの方の例(税込)

2019年 25,660円 20%値上げ
2018年 21,384円  
2017年 21,384円 8%値上げ
2016年 19,800円  

このまとめはfreeeユーザーの利用履歴を参考にしています。

あるお客様は途中から使うのをやめてしまい、全く使っていないのに利用料が毎月引き落とされていました。

そのお客様については、過去のデータをすべて当事務所のインストール型の弥生会計に移行し、freeeの契約を解除してもらいました。

いわゆる幽霊ユーザーの使用料や、会社設立freeeを使用したユーザーに対する電子公告機能年額1,000円の自動引落し、といった売上がfreee社を支えている部分もあるのです。

 

利用料だけをみてfreeeへの乗り換えも危険

マネーフォワード社もそうですが、freee社の決算も利益体質には程遠く、freee社もいずれプランの見直しと称して、再度大幅な値上げということも考えられるところです。

 

Excelのテーブル形式、ピボットの活用を

この値上げのお知らせを見て、解約を決意したユーザーは多いことでしょうが、その後の会計処理をどうしようか困っている方も多いと思います。

ある程度のITスキル(Excelが使えれば十分、ショートカットキーが使えればなおOK)があれば、

  • 損益→Excelのテーブル形式とピボットを活用
  • 預金データ→ネットバンクによるcsvデータまたは通帳コピーを税理士へ提示する

運用とすることも一案です。

記帳代行を依頼せずにある程度は自分で損益を把握しておきたい、けど会計ソフト代がもったいないと考える方には、自計化と記帳代行の間という形にはなるものの検討の余地があると思います。

(経理経験がある方には、素直にインストール型の弥生会計を購入された方が余計なストレスがないと思います。PAP会員の当事務所経由でしたら優待価格で購入できます)

実際、えびな税理士事務所においても、クラウド会計ソフトの使用に挫折した、または値上げを機に使用をやめたいというお客様にフォーマットを提示したところ、好評を博しております。

まずは、

  • 過去のデータをすべてバックアップする
  • 支払いを停止する(退会処理はせずに、データの閲覧はできるようにしておく)
  • 資料を整理して(ExcelでまとめるとなおOK)税理士へ相談する

という対応が税理士としては最善ではと考えています。

 

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