税金は国税、地方税の分かれており、その中でも性質によって所得課税(「もうけ」に対して課税)、消費課税(財貨やサービスの消費に対して課税)、資産課税(資産の取得や保有に対して課税)に分けられ多種多様な税目から成り立っています。
その中でも、特に身近な税目について簡単に内容をご説明の上、最近のトレンドをご紹介します。
【所得課税】
1.所得税
個人の1年間(1月1日から12月31日まで)の「もうけ」に対して課されます。
その性格によって所得は10種類に区分されており、扶養控除など所得控除を経て、超過累進税率(所得が多いほど高率)により課税されます。
最近のトレンド(増税傾向)
年少扶養控除(16歳未満の扶養親族の控除)の廃止、年収による配偶者控除の適用制限等により、徐々に増税となる傾向があります。
また、所得税は安くなっても社会保険料が高くなることが良くありますので、給与明細で所得税と社会保険料の両方を見てトータルでどれくらい負担しているのかを把握することが大切です。
2.法人税
法人の1事業年度(3月決算の場合は4月1日から3月31日まで)の「もうけ」に対して課されます。
最近のトレンド(増税傾向/減税傾向どちらも)
税率の低下、所得拡大促進税制等税額控除の拡大により、適用可能な法人にとってはメリットが大きいでしょう。
一方で、大企業においては欠損金の繰越控除(前年の赤字を当年の黒字と相殺できる制度)の控除割合制限により、黒字であれば課税される仕組みとなっています。
税額控除等特例を上手に活用することが節税のコツです。
3.地方税(住民税、事業税)
所得税や法人税の申告書の後ろについているのは、住民税や事業税の申告書です。
「地方」税ですので、申告し、税額を納付するのは国ではなく、都道府県や市町村になります。
【消費課税】
1.消費税
消費税は、商品やサービスを受けるときに代金の8%を追加して消費者が支払います。
消費税を受け取った事業者(個人、法人を問いません)は、「受け取った消費税」から「支払った消費税」を差し引いた金額を納税します。
税を負担する者(消費者)と納税する者(事業者)が異なるのが特徴です。
商品やサービスには消費税の計算上考慮しないものがあります。
人件費(給与、賞与、法定福利費)がその代表例で、赤字でも消費税の納税が生じる場合があります。
中間納付を含め年間の資金繰りの考慮に入れなければなりません。
最近のトレンド(増税傾向)
平成31年(2019年)10月からの消費税率の10%への引き上げによる増税だけではなく、インボイス方式の導入により事務工数の増加が見込まれます。
2.その他
酒税、たばこ税、自動車税、自動車重量税、関税、ゴルフ場利用税、入湯税等、普段の消費活動の中で納税している税金はたくさんあります。
レシートや領収書を注意して見てみましょう。
【資産課税】
1.相続税・贈与税
亡くなった方(被相続人)の財産を相続人が取得した場合に相続人に対して課されるのが相続税、生きている方(贈与者)から財産を無償で受け取った場合に受け取った人(受贈者)に対して課されるのが贈与税です。
相続税と贈与税との間で、基礎控除額、税率は大きく異なりますので、生前から相続対策を行うことが大切です。
最近のトレンド(増税傾向)
平成27年1月1日以後の相続より基礎控除の4割減額(5,000万円+1,000万円×法定相続人から3,000万円+600万円×法定相続人へ)により相続税が課される方が増えております。
さらに、いわゆるタワーマンション節税に今後制限が入る見込みであり、今後も課税の対象となる相続が増えそうです。
2.地方税(固定資産税、事業所税等)
家屋や土地の所有者に対して課される固定資産税、指定都市等(東京都、政令指定都市、人口30万人以上の市など)が床面積や従業員数に応じて課す事業所税などがあります。
3.印紙税
契約書や領収書に貼ってある緑色の切手のようなものを印紙といいます。
印紙税法別表第一に、1号から20号の各号ごとに税額が細かく定められています。
一番よく見かけるのは領収書に貼ってある200円でしょうか。